嘘つき系恋心
『...頑張れ。』
ドンッと鈍い音と共に車内がぐらりと揺れる。揺れがおさまって目を開くと、隣には血を流した美空と運転席にはお父さんが倒れていた。
「お父さん!?美空姉っ!?嫌だよ...っ!ねぇ!?起きてよ!誰か、誰か助けてっ...!!!」
ボロボロと涙が出てきて視界はぼやけて目に映るのは赤と黒。だけど、そんな中に、にやぁっと不気味に笑うあいつがいた。