嘘つき系恋心
そんなことを言われたような言われなかったような、寝ぼけていたのかよく思い出せない。んー?と考えていると恋がぴょこっと顔を出した。
「杏也くん、僕言ったでしょー」
「んー、そう言われるとそんな気がしてきたぞ......」
「ちょっとー?終わった?もう出掛けるよー?」
伊織も恋と同じように顔を出して尋ねた。丁度、恋の上に伊織が重なっていて面白い。
「...終わった。」
「どこに行くのー?」
「内緒だよ。」
人差し指を口に当てふふっと笑う伊織。灯亞はキッチンから出て自室へと向かった。
「えぇー...内緒ー?もう。...それじゃあ準備してくるね」