嘘つき系恋心
『あの人の...。』
おばあさんと別れた後、丁度雨がパラパラと降ってきた。最初はパラパラと降っていたのにだんだんと激しい雨へと変わってくる。
「はぁ!?うっそでしょ!?」
傘もなければ雨宿りできそうなこともない。おまけにメガネに雨粒が当たって見えずらい。
「もー!」
せめてもの抵抗で手を顔の上らへんにかざしながらこれまでにない速さで走った。
「あ、あそこ!」
くつは何度か水溜りに入ってしまって靴下までびっしょびしょ。服も水を吸ってとっても重たい。そんな中で、雨宿りできそうな場所を見つけた。
そこは小さな小屋の後ろ側のようだった。小さいが、屋根は大きく雨が全然入ってこなかった。近くには木箱が二つ積まれてあった。
「あー...もう...めっちゃ濡れたー...」