嘘つき系恋心
「...って!え!?ここ何処!?」
ずっと寝ていられそうだ、なんて呑気なことを考えている暇はない。気付ば見知らぬ人のお宅のベッドの中にいる。
寝ぼけてこんな事をしてしまったのだろうか、と不安になっていると、ベッドのすぐそばにあるキャビネットに小さな四つ折りの紙があった。
「...頭...痛い......」
立ち上がろうとした時に頭がズキッと痛くなったが、それもすぐに治まり紙をとった。
「ん?なにこれ...僕宛て?」
その紙には、部屋を出て突き当たりにある風呂に入っておけ、という内容だった。
書かれてある通りにお風呂場へ入ると、籠があり、その中に着替えらしきものが置いてあった。
「んー。まぁ......大丈夫、かな?どうしよう。」
迷いつつも、メガネを外し服を脱いでいく。丁寧に服を畳んで籠のすぐそばに置いて浴室へ入る。