嘘つき系恋心
『ごめんなさい。』
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あの後、気まずいまま寮に戻って気まずいまま一週間が過ぎた。
「はぁ......」
今日何度目か分からない溜息をつく。それと同時に威月の顔がドアップで映った。
「い、威月さん...っ」
「杏也...今は授業中ですよ?ちゃんと聞いてましたか?」
呆れたように溜息をついたあと、周りに気づかれないように小声で喋る威月。
「は、はい......」
視線を泳がせながら頷くと、また呆れたように溜息をついて教卓の方へと行ってしまった。
「じゃあ、今日はここまで。そういえば明日の午前中レクリエーションがありますから。せいぜい頑張ってください。」