嘘つき系恋心
そう言い終わったあと、丁度良くチャイムがなった。それを境にがやがやと騒がしくなる教室。廊下にでると、ここも生徒で賑わっていた。
「はぁ......来るんじゃなかった...。」
母がいないと知った今、ここに来る意味がない。一刻も早く帰って寝たい気分だった。ここ一週間そんな日が続いた。
「あ......」
「え......」
廊下を歩いていると遊と鉢合わせてしまった。いつもなら普通に話しているのに今は気まずくて仕方が無い。つい、こちらから目を逸らしてしまった。
「.........杏也さ...」
「僕に...話しかけないで。」