嘘つき系恋心


その後少し話して男子達と別れた後、とぼとぼと一人で帰路につく。



「言わなきゃなぁ......」



地面に映る影がいつもより小さく揺れていた。




「ただいま...」


寮に戻ると誰にも会うことなく真っ直ぐ自分の部屋に向かった。ベッドに鞄を放り出して、窓の外を見た。その時、コンコン、とドアがノックされた。



「杏也くーん?ご飯できたよ?」



ドアの向こうから恋の声がする。でも、まだ一緒にご飯を食べる勇気なんてない。



「うん......」



曖昧な返事をして、ベッドに寝っ転がった。
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