嘘つき系恋心
「寝ててもしょうがないよね...!」
そう言って部屋を出ると、リビングに入るドアの前から、お風呂行く、とだけ言った。
「......あーー!!!」
静かだった浴室いっぱいに杏也の声が響いた...がそれは外に漏れることは無かった。
お風呂からあがると飲み物を取りにキッチンに向かった。
「.........」
「............」
伊織が食器を洗っていたが、こちらを見て優しく微笑んだ。そして喋ることなくまた、洗い物を再開した。
杏也も喋ることなく、冷蔵庫を開けてオレンジジュースを取り出すとコップに注いだ。