嘘つき系恋心


「杏也くん...ご飯は?」


「...いらない......」



伊織は、そっか、と微笑んでリビングに行ってしまった。



杏也も自分の部屋に戻ると開けていた窓から少し冷たい風が頬をなでた。少し乱暴に窓を閉め、ベッドに寝転ぶと逃げるように無理矢理目を閉じた。




****




「ただいまから、第29回目全校隠れ鬼を始めたいと思いまーすっ!捕まったらなんと!もれなく女装つき!!」



登校して約十分。全校生徒が集められた体育館が一気に雄叫びにより騒がしくなる。朝だというのに元気すぎる生徒達に逆に驚いてしまう。



「まだ朝八時だよ...?どんだけ元気なの......」


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