嘘つき系恋心
此処にとどまってから数十分後。急に恋の声がして心臓がバクバクいっている。気づかれないように息を潜めていると、屋上のドアが閉まる音がした。
「...危なかったあ......」
「何が危なかったんだ?」
「何がって...全部だ...よ......って、うわぁぁぁあっ!?!?」
恋がいなくなり、ほっと息をついていると今度は真横から灯亞の声がした。流れでついお決まりの反応をみせてしまった。
「とう...あ......」
「おい...まて。逃げるなって...」
後ずさるとそれを阻止するように手首をつかまれた。灯亞はなにか言いたげにこちらをじっと見ている。
「ごめんなさい!」
「は...?」
「待って!?」