嘘つき系恋心
私の顔を一度も見ないで家事を続ける。怒る回数は増えて溜息をつく回数も増えた。前とは全く違うお母さんがいた。
そんなある日。...丁度私の誕生日。
「ただいま...」
「あ、ああ、おかえり。結彩。」
学校から帰るといつも元気なはずのお父さんがどこか悲しい表情をして私を迎えた。
「お、お父さん...?」
「結彩、おかえりなさい。」
「お母さん...」
お父さんにも驚いたが、一番驚いたのはお母さんだった。
久しぶりに笑っている表情を見たのだから。