嘘つき系恋心

恋に、にっこり満面の笑みを向けられると何も言えなくなってしまう。



「ま、いいけど。」


めんどくさくなってきた杏也は体育館をでて空き教室に入った。誰もいない、と息をつくとガタッと音がした。



「え...誰かいるの......?」



教室を見渡す限りは誰もいない。首を傾げていると、後ろから誰かの手によって元に戻された。


「灯亞......。」


「ん...?」




「ん?じゃないよ。どうしたの。」



振り返ると丁度向かい合う感じがして恥ずかしくなった。が、灯亞はそんなの気にしてない様子で手を伸ばしてきた。



「え?なになに......っ」
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