嘘つき系恋心


生徒がなんの打ち合わせもなく自然に声を合わせて言った。目はアニメでよく見るハート型のようになり、一心に杏也を見つめる。



「ひっ⋯⋯⋯」



「全く。杏也、大丈夫ですか?汚染されてませんか?⋯ったくお前ら落ち着きなさい。貴方達⋯手を出したらお仕置きですからね⋯?」


なんて低い声で威嚇する威月。すると全員が恐怖し、ピタッと固まった。それを見て満足した威月は笑顔で窓側の席を指さした。



「杏也の席はあそこですよ。」



「⋯は、はい。分かりました」


席に向かってると初めて自分の席の隣や周りの人がいない事に気付く。おかしいな、と思いながらも席に座ると、ガラッとドアを開けて四人の生徒が入ってきた。

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