嘘つき系恋心
「はいはい、お喋りもいいけどご飯食べようねー?特に結彩ちゃん。」
満面の笑みを浮かべながら伊織がこちらを向く。と、同時に結彩も横を向いて視線をそらした。結彩の前に置かれたご飯はまだ半分程度しか減ってない。
「んー、もういっぱい、かな?」
「だめ。食べようね?」
有無を言わさない笑顔に渋々頷いてご飯を食べていく。そんな結彩を見て伊織はほっと息をつく。
ゆっくり食べていたのでご飯に一時間近くかかってしまった。寝る頃にはもう夜深く、月が怪しく光っていた。
「ちょっとだけ、いい一日だったな...。」
そんな声は暗闇とともに眠りに落ちた。