嘘つき系恋心
「あ、はい!飲みます!」
キッチンに聞こえるように大きな声で返事をすると、はーいと返ってきた。
「はい、どうぞーっ」
八分目くらいまでに注がれたグラスを結彩の前に置く。丁寧に氷とストローまで。
「ありがとう...恋。」
「いえいえ!じゃあ僕ちょっとでかけてくるね?」
「え?どこかに行くんですか?」
リュックを背負って出かける準備をする恋にそう聞くと、苦笑いされた。
「補習...?なーんかぁいっちゃんに呼ばれたんだよねぇ」
「威月さんに?頑張ってね」
「ええー...じゃあ、むかえにきてよー!そしたら頑張るから、ねっ?」
恋がそんなふうにまゆを下げてこちらを見るので頷く他なかった。