嘘つき系恋心
「灯亞。灯亞。起きてください。」
肩をぽんぽんと叩いてみても揺さぶってみても起きる気配は一向にない。
「灯亞、ご飯ですよ?灯亞ー!」
ほっぺをぷにぷにしても布団を剥いでも気持ちよさそうに寝ている灯亞に心が折れかける結彩。
「灯亞ってば!」
「...う......ん...?...なに...」
起きた灯亞がまだ眠そうな瞳と不機嫌そうな声色で結彩を捕らえた。
「...ご飯...ですよ。起きて、ください...。」
「...ん。も少ししたら行く......」
そう言ってまた目を閉じてしまったのでため息をついて静かに部屋を出た。
ダイニングに戻ると遊は待っていてくれた。