嘘つき系恋心
くすくすと伊織が笑う。なんだか今日の伊織は何時にも増して子供のようだった。
「行きましょう。」
伊織の手を引いてダイニングルームに行くと、伊織の分のオムライスを温めた。
「...あ、そういえば。」
「ん?」
読んでいた新聞から目を離すと、目が合った。
「あ、えと...遊がご飯当番変わってほしいと...」
「遊?...うん。分かったよ。じゃあこれ食べ終わったら買い物に行ってくるね。灯亞も連れていくつもりだからお留守お願いできるかな?」
オムライスが温め終わり伊織の前に置くと、ありがとうと言う伊織。
「お留守ですか?大丈夫ですけど、恋のむかえにも行かなきゃいけないので一応鍵は持っていってくださると助かります。」