嘘つき系恋心


「俺は九ノ瀬灯亞(ココノセトウア)。伊織の幼馴染な。」



「とーあ⋯よろしく⋯」



急に恥ずかしくなってきて、目を逸らした。逸らした先では、頬を膨らませた恋がこちらを見ていた。


杏也が首を傾げると、もうっ!と少し大きな声で言った。



「なんで灯亞君のことだけ聞くのっ!僕のことも聞いてよ〜」


怒っていた理由はこれだったのか、とつい、微笑ましくなって笑顔を見せた。


「君、お名前は⋯?」



「えっへへ〜僕は貴崎恋(キサキレン)っ!よろしくね!杏也くん!」

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