嘘つき系恋心
「よろしくっ遊っ!!」
「遊君、昨日何時に寝たのかな?」
杏也が握手しようと手を伸ばしかけた時、伊織が遊の側に来て尋ねた。遊は視線をそらして、言おうとしなかった。
杏也は何事かとハラハラしながら見ていた。
「⋯徹夜したでしょ。」
伊織の言葉が図星なのか、目をさっと逸らす。それを伊織は見逃すはずもなく、にこっと黒い笑顔を見せた。
「してない⋯」
「ゆーうくんっ?もうバレバレだよ?僕ら黙ってたけど、性格変わっちゃってるもん」
ブンブンと顔を横にふる遊をみて、苦笑いの恋。何も知らない杏也は不思議そうにやり取りを見ていた。