嘘つき系恋心
「⋯徹夜した⋯⋯でも性格変わってない。」
とうとう徹夜したのを認めたが、不機嫌な遊はギロっと伊織と恋を睨んでいる。そんな遊に恐怖した杏也はさっと灯亞の背中に隠れた。
「はは。大丈夫だぞ?杏也」
笑いながら言う灯亞に不満を漏らした。
「僕、此処にきたばっかりだから知らないことばっかりなのっ。ちゃんと説明してよっ?」
すると、もう少ししたらな、と頭を撫でた。その時、伊織が遊を持ち上げてこちらを向いた。
「遊君を寝かせてきます」
そう言って教室を出ていった彼の顔は少しキラキラしているように見えた。
恋はびしっと敬礼をして見送った後、くるりと、灯亞の方を向いた。