嘘つき系恋心
冷蔵庫の中を確認しながら考える。これからは寮生活なので、数少ない食品を消化したいところだ。
「卵あるから、オムライスだな。後は...フルーツヨーグルト?」
卵を取り出し手早く調理していく。料理は上手くないが、好きではあった。昔、父に褒められ、そこからハマっていった。
「う...豆腐がある...!なんで...?」
嫌いな豆腐が冷蔵庫の隅に佇んでいるのを見つける。困り果てているとピーンポーンと呼び鈴の弾むような音がする。
「こんな遅くに誰...?」
小走りで玄関まで行き、ドアを開ける。
「どちら様です.....うわっ!?」
「やぁーん!久しぶりぃ〜。会いたかったわぁ〜!すっかり大きくなっちゃってぇ!」