嘘つき系恋心
「室長は僕がなるからね。じゃあ、威月さんに言ってくるから待ってて。」
「はや⋯っ」
伊織の仕事の早さにびっくりする。まるで杏也が一緒の部屋になることを見透かしてたかのように。
少しすると、伊織が威月と一緒に戻ってきた。
「じゃあ、これから部屋を案内します。杏也、おいで。」
恋や灯亞が返事をする中、杏也はほかの生徒と後ろの方で話していたので威月が呼んだ。すると、友達と何を話したのかご機嫌といった表情で威月の元へとやって来る。
「威月先生っ。どうしたんですか?」
「ふふ⋯。今から部屋に案内するので、ちゃんとついてきてくださいね?」