嘘つき系恋心
そうやって伊織が笑うものだからこちらもつい、笑顔になってしまった。
そうこうしているうちにポーンと軽い音が鳴ってエレベーターが止まった。
「貴方達の部屋は二階の⋯ここですね。一番エレベーターに近いところ。」
この寮は、ざっくりいうとLを九十度回転させたような造りとなっていて、短い方にエレベーターやら談話室のようなのが設置されていた。
杏也たちの部屋は曲がり角を曲がって少し歩いたところ、エレベーターから一番近い場所だ。
「これが鍵です。スペアは一応ありますが各自、できる限りなくさないようにしてください。いいですね?とくに恋。」