嘘つき系恋心
「て、天国......っ!!」
「あはは......確かに...でも汗冷やして風邪ひかないようにね?」
うん、と周りを見ながら返事をする。恋は早速自由行動をかましていた。ふらふら〜っとあっちへ行けば、今度はこっちに行ったり。このまま放っておいたら迷子になりそうだ。そして、たまに他の人とぶつかりそうにもなっていた。
そんな恋のことをハラハラしながら見守る杏也と伊織。その二人に気が付いたのか、恋が戻ってきた。
「もう、恋!ふらふらしすぎ!迷子になったらどーするの!」
「あははっ大丈夫だよっ!...あ、じゃあこうすれば迷子にならないよ?」
そう言ってぎゅっと杏也の右手を掴んだ。離されないように強く強く。