嘘つき系恋心


「て、天国......っ!!」



「あはは......確かに...でも汗冷やして風邪ひかないようにね?」



うん、と周りを見ながら返事をする。恋は早速自由行動をかましていた。ふらふら〜っとあっちへ行けば、今度はこっちに行ったり。このまま放っておいたら迷子になりそうだ。そして、たまに他の人とぶつかりそうにもなっていた。



そんな恋のことをハラハラしながら見守る杏也と伊織。その二人に気が付いたのか、恋が戻ってきた。


「もう、恋!ふらふらしすぎ!迷子になったらどーするの!」


「あははっ大丈夫だよっ!...あ、じゃあこうすれば迷子にならないよ?」


そう言ってぎゅっと杏也の右手を掴んだ。離されないように強く強く。
< 50 / 191 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop