嘘つき系恋心
その言葉が妙に擽ったくて慌てて靴を脱いで、箱へと戻すとその箱を持ち上げた。会計に行こうとすると、伊織に腕を掴まれる。
「あ、ちょっと待って。」
そう言ってクロックスを眺めている。少し経ったあと、紺青色のクロックスを手に取り、杏也の箱も持ってレジに向かった。
「ま、まって。払うよ!?」
「ん?いいよ、俺が出す。」
ニコッと笑う伊織の笑顔は有無を言わせぬ笑顔だった。
「じゃあ...お願いします......」