嘘つき系恋心


「おかしいね。声はするのに...」



きょろきょろと辺りを見ても恋と思われる人はいない。いるのは驚いている眼鏡をかけた中年の男性と涙目の金髪ツインテ美少女だけだ。



「ひっ...な、なんだ!お前ら...!」




「あ、すいません。そこのおじさん。ここにピンクのピンをつけてパーカーを着た男の子...来てないですか?丁度......その子みたいな。」



「伊織...っ!」



今にも泣きそうな金髪ツインテの美少女こそ恋だった。何をすればこんな事になるのか意味不明だが、杏也はぎゅっと恋を抱きしめ、あやす様に頭を撫でた。



伊織は相当頭にきてるのかどす黒い笑みを浮かべて微笑んでいた。
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