嘘つき系恋心
「よしよし。恋、もう大丈夫だよ。」
後ろからはおじさんのなっさけない声が聞こえた...ような気がした。恋は杏也の腕の中で安心したような表情をしていた。
ちらっと横を見ると、おじさんが悲鳴を上げながら通り過ぎた。
「全く。どうしてこんなことになってるの?恋?」
すると、恋が気まずそうに視線を下にさげた。
「いや、あのその...」
「なに、もう。はっきり言ってよ。」
杏也がそう言うと意を決したように口を開いた。