嘘つき系恋心
「流石に俺も不作法過ぎたから、ごめんね。」
「伊織、杏也さん、そろそろ時間です。」
「早くいこーよ!」
そんな遊と恋の声がして時計をみてみると、もう四時をまわっていた。
「行こうか。」
「うん。」
玄関に行くとみんなが同じ浴衣を着ている。自分も。それがちょっと嬉しくて擽ったくて......。
「行こっ!」
みんなに笑いかけた。
お祭りの会場は商店街から神桐神社へと続く大通り。もう既に賑やかな声に包まれていた。