嘘つき系恋心
「ばいばい、おにーちゃん!」
「おう!じゃあね!ゆかちゃん!」
ぶんぶんと手を振る結花に負けず、こちらも手を振る。結花とお母さんの姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
「よし、行きますかー!...うわっ!?」
くるっと踵を返して歩こうと一歩踏み出そうとした時、誰かに手を引っ張られた。
「君可愛いねぇ。」
「俺らと遊ぼーよー」
「男...にしては可愛いなぁ。本当は女の子でしょ?」
振り返ると気持ち悪いくらいににやにやした男の人達がいた。手を振りほどこうとすると、さらに強く握られる。