嘘つき系恋心
抱きしめられていると顔をよく見ることは出来ない。男性等が逃げて行くのだから相当怖い顔をしているということはわかった。
「はぁ...なんでこんなことなってんの...?」
杏也を離して呆れたようにため息をついた。
「僕だってわかんないよ!迷子の女の子を助けてたら捕まったんだもん!」
「迷子?」
「うん。お母さんとはぐれて泣いてたの。あ、でも最後にはちゃんとお母さんと巡り会って一緒に行ったけど。」
「お前も一緒に探したの?」
灯亞がそう問えば、杏也は得意気にうん、と頷いた。
「そ...偉い偉い」