嘘つき系恋心
『いらっしゃいませ。』
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「いらっしゃいませー!」
カランと小さな音を立てて扉が開く。と、同時に元気な声が店中に響く。曇りのない笑顔と丁寧な態度で接待する。
「こちらのお席にどうぞ。」
先程来たお客さんをテーブル席に案内してお冷を置いてレジの方へと戻る。
「完璧。」
あまりの出来の良さに自分でも少しにやけてしまう。この仕事にもなれたものだ。訳あって今はファミリーレストランのバイトをしている。まぁ、なぜこうなったかというと、昨日の一本の電話から始まる。