竜宮城に帰りたい。
Day 10; 亀裂
翌日ー
たくま港まつり当日なだけあって、
観光客や地元の人たちでなんだか朝からこの町が元気だ。
「おーっす、澪!」
「祐くん!おはよう。」
昼頃、いつもの窓のカーテンを開けると、
笑顔で手を振る祐くんがいた。
その奥には不機嫌そうな晴もいる。
昨日の今日だし、なんとなく挨拶はできなかった。
「あれ、集まるのって18:00じゃなかったの?」
「もう屋台出とるけん。
一旦散って、その時間に浴衣着て再集合しよーで。」
「うん。分かった。
もう屋台出てるんだね!」
「夜は花火がメインイベントやけんの。」
「ま、待って。
今着替えてくる…」
私は高揚感と気まずさが混ざりあった変な気持ちで、寝室へ駆けていった。