竜宮城に帰りたい。

なんか緊張する……

家族なのに。


私がインターホンを押すための深呼吸をしている途中で、
ゆかりが大声で「おばあちゃーん！！」と呼びながらドアを開けた。


「ちょ、ゆかり！」

「あら、澪ちゃんとゆかりちゃん！
よぉ来たの〜」


奥からパタパタと足音を立てて、おばあちゃんが出てきた。


おじいちゃんは病気でもう亡くなっているので、おばあちゃんは広い家に一人暮らしだ。

だからか、私たちの顔を見た途端に下がっている目尻がさらに下がった。


「おばあちゃん、久しぶり！」

「お世話になります。元気だった？」


「はい、お久しぶりやね。
もちろん！この通り元気、元気！」



おばあちゃんが太陽みたいににかっと笑うので、私も思わず口元が緩む。

ゆかりは挨拶をするとすぐに家の中に入っていった。