竜宮城に帰りたい。




結局、明日の午後は近くにある海に連れて行ってもらえることになった。


私は家で待ってるつもりだったけど、やはりゆかりのゴリ押しに負け……



まあ、海は綺麗そうだし、別にいっか。



往路の疲れもあり、私たちはその日早々に眠ってしまった。




******


翌日ーー


目を覚まし、時計を見ると11:00を指していた。


嘘!!
寝すぎた…。


まだグーグーと寝ているゆかりを置いて居間に行くと、
すっかり冷めてしまった朝ごはんが用意されていた。

おばあちゃん、まだ畑にいるのか…。



畑はこことは少し離れたところにあるらしいので、ひとまずゆかりを起こし、朝ごはんを食べることにした。


「寝すぎて頭重い…」

「バカだなあ。」


ゆかりは私を睨むと、食べ終わった食器を洗い、スマホを片手に寝っ転がってしまった。



私もなんとなくスマホを見ると、おばあちゃんからメールが届いていた。


『ごめんな。
今日はこの後町内会があるのを忘れなんだ。
もし澪ちゃん大丈夫ならふたりで行ったらわ?』


町内会…!?


「ゆかりー。今日おばあちゃん、海行けなくなったってー。」

「え!そんなぁ」

「おねぇちゃんが連れて行ってあげようか?」

「え、いいの!?」

「うん。私も今日行く気満々だったから、いいよ。」

「ありがとう、おねぇちゃん!」



ゆかりはそう言うと、バタバタと勢いよく寝室に走って行った。

「水着いるよねー!?」

「うん、持って行きなー。」

ゆかりがはしゃいで準備しているのが、とってもかわいい。


私は思わず一人で笑ってしまった。






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