竜宮城に帰りたい。
「告白するのに彼女の許可やこし、いらんよ!」
「でも…
じゃあ私が晴を好きだってこと、知ってほしかった。」
「……うん…。」
「まだ諦めてないんだ…。」
「私だって…」
瑞季ちゃんは言い切らずに下唇を噛んだ。
「私ね、瑞季ちゃんがうらやましかった。」
「なんで…」
「晴とすっごくお似合いだったんだもん!
嫉妬して、でも瑞季ちゃん自身すごく良い子だから、
憎みきれなくて…」
「でも別れた。」
瑞季ちゃんはポツリと涙を落とした。
「瑞季ちゃん…」
「澪ちゃんが晴を好きになるのなんて、
初めて会った時から分かってたよ。
でも晴は絶対に澪ちゃんのこと好きにならんと思ってた。」
「それは今もそうだよ…。」
私が苦笑いを向けると、
瑞季ちゃんは目に溜まった涙を指で拭った。
「そんなことないよ。
晴は初めて自分を分かってくれた澪ちゃんに惹かれとる。
だから、フる時に澪ちゃんやなくて、私を理由にフったんよ。」
私はそんな言葉でいちいち舞い上がってしまう。
でも、今は喜んでいる時じゃない。