竜宮城に帰りたい。
「私は晴を行かせないように頑張る。
澪ちゃんは晴を連れてけるように頑張って。
それでこそ、最高のライバルや!」
「ライ…バル。」
「うん!」
瑞季ちゃんは私の手をとると、力強く握った。
友達じゃなくて、ライバル…
「私、ライバルって初めて…」
「アハハっ、ほんま!?
やった!」
「私、瑞季ちゃんと本当に言いたいこと言い合える友達になりたかったの。」
「うん。でもライバルもええやろ?」
「……」
私は今にも泣きそうで、
返事をすることはできなかった。
その代わり、満面の笑顔で瑞季ちゃんの手を握り返した。
ねぇ、晴。
私、もう一人心から信じ合える友達ができたよ。
今すぐ伝えたい。
会いたい……。
私も遠くに広がる海に目を向けた。
瑞季ちゃんやこの町にとってどれだけ大切でも、
私は晴を東京に連れていきたい。
そして、またこの竜宮城に戻るんだ。
願わくば、二人でその先ずっと……