竜宮城に帰りたい。
Day 16; 七塚家の事情
翌日ーー
晴と祐くんは、いつも通りおばあちゃん家の窓ガラスをノックした。
「晴…祐くん…」
「おはよう、澪!」
「……。」
相変わらず晴は仏頂面で私の挨拶を無視するが、
祐くんはビックリするくらいいつも通りだ。
お祭りの日、変な別れ方したから、
私とも晴とも気まずくなると身構えていたのに……
晴に答えを求め、言葉を探してもごもごしていると、
晴はふーっとため息をついて口を開いた。
「この一週間で仲直りした。」
「えっ!あ、そう…なんだ!」
祐くんも明るい笑顔で口を開く。
「せや。納得いかん部分もあるがの。
こーゆー時は晴、言っても聞かんけん。」
「ふふっ…そっか!」
私は嬉しくてつい笑ってしまった。