竜宮城に帰りたい。



「お前誰や。」

「え…、だ、誰って…」

「観光客?」

「いや…その、う、海は…どう行けば…」

「海?歩いて行くんかいな。」

「あ、バス…がいいです。」

「バスならあっちゃ。」


彼が指差した方向を見ると、遠くの蜃気楼の中にかろうじてバス停を確認できた。


「あ、ありがとうございます。」

「ほんだらのー」



少年は颯爽と去っていった。

なんかぶっきらぼうな人だったな。
方言のせいもちょっとあるかもだけど。


「ゆかり〜、行くよ!」

「やっと見つけたのー?」

「うん、今人に聞いて…。」

「え、人…?いつ人に聞いたの?」

「今…だけど」


な、なんか…嫌な予感が…


「今ここに誰かいたっけ?」

「はい!!!早くバス停行くよ!!すぐそこ!!」

「うん…。」



まさかさっきのがお化けとか…?

勘弁してよ〜!!





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