竜宮城に帰りたい。
20分ほど自転車を漕いでいると、
晴たちの学校に到着した。
晴たち以外の生徒ももちろん登校していて、
私は気まずさで小さくなる。
「あの…私たちどこにいればいいかな?」
「入ってくりゃええやん。」
「っ、は!?
無茶言わないでよ!
私たち私服で、ただでさえ居心地悪いのに…。」
晴の横暴ぶりは健在のようだ。
「相変わらずちっせぇこと気にしよるのぉ。」
晴は呆れたように私を上から見下すと、
ゆかりの手を握って歩き出した。
「ゆかりは来たいやんな?」
「うん!高校って入ったことないもん!」
「ほぉほぉ。
お前は姉ちゃんよりよっぽど度胸あるのぉ。」
「えへへ…」
「ちょ、ちょっと!晴!」
晴はお構いなしにゆかりを連れて、
校舎の中へずんずん入っていった。
私は祐くんと顔を見合わせる。
「しゃあない。行こうで。」
「うん…」
私は祐くんのあとに続いて、
校舎の中へ入っていった。