竜宮城に帰りたい。
「ん?どしたんな?」
「あのね。
私のせいで…さっき瑞季ちゃんと晴が別れたことクラスのみんなにバレちゃったの。」
「……」
瑞季ちゃんは一瞬眉を下げたが、
すぐにニッコリ笑顔を作った。
「まぁなんとかなるよ!」
「ごめんね…。」
「ふふっ…きっと澪ちゃん悪くないんな?
うちのクラスのバカ男子がバカやったんやろ、どーせ。」
「それは…」
「大丈夫!
私も澪ちゃんに負けないくらいかっこよくおりたいもん!」
「へ!?」
瑞季ちゃんは、フーッと息を吐くと、
勢いよくドアを開けた。
「おはよう!!!」
私がかっこいいなんて…。
かっこいいのは、早月や瑞季ちゃんの後ろ姿…
「行こっか、ゆかり」
「うん」
私は教室内の会話も聞かずに、
ゆかりの手を引いて自習室に向かった。