竜宮城に帰りたい。



バスの運転手さんに教えてもらい、何とか海にたどり着いた頃には夕方6時になっていた。


「わー、夕陽きれい!」


ゆかりが砂の上を駆けていき、見上げた先ーー


「う
わあ〜」


すごい!!
めちゃくちゃきれい!

オレンジ色の夕陽が波の腹を照らし、キラキラと見ていられないほどの光を反射している。

水平線まで光の筋が出来ていて、まるでどこかへ続く道のようだ。



しばらく心を奪われていたが、ふと我に返り辺りを見渡すと、写真を撮っている観光客が多くいた。

どうやら夕陽がきれいなことで有名なところのようだ。



「おねえちゃん、ちょっと海入ってくるね。」

「はーい。あんまり遠くに行かないでね。
私ちょっと浜辺散歩してるから。」

「わかってるー!」


服の下に水着を着ていたため、すぐにゆかりは海に飛び込んでいった。




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