竜宮城に帰りたい。



「のぉ、お前、まだ俺のこと好きな?」


「へ…」



晴は抱き締める力を弱めないから、

その表情を読むことはできない。



「なんで…そんなこと聞くの…?」


「今質問しとるの俺や。」


「だから、好きだってさっき言って…」


「ふーん。」



な、なにその淡白な返事!



「で、お前いつ東京帰るんな?」


「4日後…

…っ私、あと4日しかいられないんだよ!?

なのに、晴はそういう思わせ振りなことばっかしてさ…」


「……」




わ、なんか後から恥ずかしくなってきた…。


二回目の告白して、すがりついて…


私何やってんだろ…。




晴は抱き締めていた力を緩め、

私の顔をのぞきこんだ。



潤んでいる視界の奥、晴の顔が赤いような気がした。



まぁきっと気のせいだろうな。




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