竜宮城に帰りたい。
「お前、やっぱかわええのぉ。」
「え……???」
今…なんて…
晴は固まった私を見て、からかうように笑った。
「う、嘘つかないでよ!
いっつもそうやってからかってさ。」
「……」
なんか言ってよ~!!
私は沈黙に耐えきれず、
思わず別の話題にそらした。
「は、晴は…東京来るんだよね?」
「あ?ああ。」
「それで、卒業したら…
この町に帰るんだよね?」
ズキンッ…
胸の奥が悲鳴を上げるけれど、
これだけは仕方がない。
瑞季ちゃんが言っていたみたいに、
みんなにもこの町にも、晴は必要なんだ。
「帰るよ。」
「うん…。」
やっぱり…
「お前も来るかえ?」
「えっ!?」
晴は当たり前とでも言いたげに、
しれっとした顔でそう言った。