竜宮城に帰りたい。
ゆかりはおばあちゃんのお腹でしばらく泣くと、落ち着いたようだった。
「ゆかり、そろそろ行こう?」
「っ……うん。
おばあちゃん、バイバイ……」
「じゃあね、おばあちゃん。元気でね。」
「うん、またお正月。
あ、澪ちゃん。」
最後、おばあちゃんに呼び止められ、私は足を止めた。
「晴ちゃんたちと遊んでくれて、ありがとうな。」
「え…遊んでくれたのはあっちで……。」
「うん、でも……」
おばあちゃんはその時、窓の外を見た。
「あ、晴たち来た…」
「澪ちゃん、晴ちゃんのこと、東京連れてってやってな。」
「え?そのこと知ってたの…!?」
「うん。晴ちゃん、うちによぉ来とったけん。」
「そう…だったんだ……。」
ゆかりは晴たちの方へ既に向かっていた。