竜宮城に帰りたい。
「なぁ、澪ちゃん。」
瑞季ちゃんは、いつもより元気のない声で私を呼んだ。
「何?」
「私、あの日澪ちゃんが屋上出た後な、また告白したんよ。
で、きっぱり改めて晴にフラれたわ。」
「あ……そう、なんだ…。」
「澪ちゃんの勝ちや。」
「な、なんで…
私だって晴にフラれたままで…」
「そっか。せやね。
じゃあ、東京行きの勝負は澪ちゃんの勝ち。」
「うん…。
み、瑞季ちゃんも!今度は東京に遊びに来て!!
私が案内するから。」
「ふふっ…ありがとう。
絶対いく。」
「あ、そうだ。
あの…ライン交換しよ…
あと、「「写真!!」」
は、ハモった……
「「あはははは!!!」」
二人で大声で笑い合って、
最後にみんなで写真を撮った。
ゆかりは泣き腫らした顔で、
晴は仏頂面、私もブスな映りだったけど
この写真は私の宝物だ。
瑞季ちゃんと連絡先を交換するとき、
「晴のこと、これからはちゃんと晴として接するよ。」
と瑞季ちゃんが言った。