竜宮城に帰りたい。
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「っ、バイバイ。晴。」
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私は電車の中に乗り込んだ。
晴は珍しく難しい顔をしている。
「晴……?」
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4
「ほれ、玉手箱や。」
「!!?」
晴は私の口にかじりかけのお煎餅を突っ込んだ。
3
「じゃあの。」
「うん…」
2
ドアが閉まる2秒前、
ほんとに一瞬、
晴は私の手を引っ張って、
傾いた私の頬にキスをした。
1
0
私とゆかりが乗った電車の扉は閉じた。