竜宮城に帰りたい。
どうしよう、どうしよう、どうしよう……
私の中にも不安と焦りが広がってくる。
なんとかしなきゃ。
私が早月のサポートするって決めたんだ…。
でも…
「ごめん、みんな…私のせいで……
大丈夫…だから……」
「でも早月ちゃん…ひどい汗だし。」
「本当に顔色悪いよ?」
「とりあえず保健室行こう?」
「でも……!!」
早月がこんなに必死になってるの、初めて見た。
それくらい本気なんだ。
私が……助ける……!
力になりたい……!!
私は変われたんだ!
本当に優しい人間になれたんだ!
だから……!
勇気、出せ!!!!
「……っ、あ…………の…………」
「とにかく、代役決めよう」
「そんなことより上演を遅らせた方が…」
「でも次のステージ、他のクラスが予定あるよ!」
私の小さな小さな勇気は、
当たり前のように周囲の喧騒にかき消されていった。