竜宮城に帰りたい。
やっぱり……
私って私だ。
私のまんまだ。
なんにも変われてない。
晴たちがいなきゃ、なんにもできないんだ……
変わろうともがいたあの日々も……
全部無駄だったのかな。
目頭に熱いものがこみ上げてくる。
晴……!
帰りたいよ……
私の竜宮城に帰りたいよ…!!
ピコンッ
え…
メッセージ…誰から…
反射的に見た画面の中央には、
『七塚晴 "来とる。"』
え、晴が…
来て……!!?
「澪……?」
「早月。
私、逃げずに本当に優しい人間になりたい。」
「え……」
私はずっと力強く握っていた拳をほどき、
天高くそれを掲げた。
晴、見てて。
変われた私を。
私の勇気で、晴が進む道標になってみせるから。