竜宮城に帰りたい。
それにしてもハルって方の男の子、変わった人だったな…。
わがままな性格…?
同世代が少ない中で嫌われないように、とか考えないのかな。
ハルがボートで通って行った道を海に探す。
もちろんもうそこには跡なんてなくて、ただ無数の波が浜に押し寄せるだけだ。
自由に思うがままに進んでいった彼はもうどこに行ったのかわからない。
また消えた…。
なんか、ハルだけ異質だ。
ここじゃない世界の住人のようだった。
さっきよりも一層夕陽の道が濃くなっている。
まるでその道は彼が通るための、もしくは彼が通った後の道のように思えた。
私にとってこの日の出会いは、幸か不幸か、運命か偶然か
竜宮城の扉が開く音がした。