竜宮城に帰りたい。



大歓声の中、舞台の幕は降りた。


その瞬間、息をつく間もなく、

乙姫役の子が私に抱きついた。


続いて他の女子もみんな私に抱きついて、

中には涙を流している子もいた。



「みんな…」


「澪ちゃん!ありがとう!」

「最高の浦島太郎だったよ!」


「こちらこそありがとう!!

みんながいたから、頑張れたよ。」




「俺も、悪かったな。

最初、できないなんて言って…」



話し合いで私が食い下がらなかった男子も、

申し訳なさそうに私に言葉をかけた。



「いいんだよ!

信じて、私に任せてくれてありがとう。」



私の目にも涙がにじんでいた。




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